大阪市と備前市を行ったり来たりする2拠点生活を送っていると、備前市にいる時に「ホンマに日本の地方ってマイカー社会だな〜」と感じることが多いです。
まあ2拠点を始める前から分かっていたことではあったんですが、一番ビックリしたのがホームセンターで花苗を買った時に、レジでレジ袋ではなくダンボールを使って作られた小さい箱(しっかりした枠があって、苗がその枠にスッポリ入るカンジ)に入れられて渡されたこと。
これ、例えば大阪に住んでる人は?ですよね。
私も最初は、「この箱なんだろう?」って思いましたが、多分車に乗せる時用の箱なんです。
レジ袋だと車の中で倒れたりしますが、その箱なら車がカーブに差し掛かった時でも倒れずにスーッと滑るだけです。
私は自転車で行っていたのでレジ袋に変えてもらうように言って変えてもらいましたが、もうここまでマイカー社会が住民の当然の前提なんですよね。
前に、マイカーを所有することのデメリットについて書きました(→地方での生活においても私が多分車を購入しない4つの理由)が、今回はマイカー社会であることの弊害について考えたことをまとめていきます。
☆☆☆☆☆☆☆
有名な話ですが、地方の人は100m程度の移動にも車に乗ったりします。まあ人によって程度問題はあるでしょうけど、備前市でも実際この傾向はかなり強いと感じます。
で、本当に車でしかいけないところに自宅や職場がある場合もありますが、そういう場合は車を使わざるを得ないので私も特に問題だとは考えてません。
今回は、そうじゃない場合。
例えば、自宅から最寄り駅まで徒歩7分、職場からその最寄り駅も徒歩7分。自宅にはマイカーあり。自宅の最寄駅から職場の最寄駅までは間に駅が3つあり、電車の移動だけだと15分。一方、自宅から職場まではよく渋滞する国道を通らざるを得ず、マイカー通勤すると1時間かかる。
図示すると、こうなります。
こういう状況で、あなたなら通勤するのに電車を選びますか?マイカーを選びますか?
これ、おそらく大阪市民は上の電車通勤、備前市民は下のマイカー通勤を選ぶ人がそれぞれ多そう。
そらー公共交通機関は衰退するわ、と思います。
この条件のポイントは「徒歩7分」の部分で、この時間って地方の人にとってはかなり長く感じそう。
あなたの家の家訓ですか?ってくらい、頑なに歩くのを嫌がる人が多いので、毎日7分(1日だと合計28分)も歩くなんてあり得ない、と感じる人が多そうです。
車の運転中って、運転するってことだけをしないといけませんよね?
生産性低すぎ。
近年は、一般的に「1つのことのみを行う」ってことが少なくなってきました。
例えば、洗濯機を回しながら部屋の掃除をするとか、ニュースを聞きながら料理を作るとか、音楽を聴きながらブログを書くとか。
料理だと分かりやすいと思うんですが、ご飯が炊き上がってから味噌汁の出汁を取り始める人っていませんよね?
1つの作業が終わって次の作業を始めるなんてことをしてたら、その料理いつ終わるの?ってくらい時間がかかります。
そうではなく、何かが進行している間に別の作業をし、だいたい全ての料理が同じタイミングで完成するように計算し、作業を並行して行うのが普通です。
ながら作業ってやつ。
ところが、車の運転中は他のことができない、っていうかしてはいけなかったりします。
運転中にスマホゲームなんかしてたら、事故を起こす可能性が限りなく高いです。
1の例で言えば、電車通勤を選んだ人は15分間が与えられるため、その時間で他のことができます。
一方、マイカー通勤を選んだ人は運転するしかないっていう・・・
3 他者とのコミュニケーションが減る
これ、ごく最近気がつきました。
最近備前市のJR赤穂線に乗っていて高校生がよく乗っているのですが、高校の同級生同士はもちろん中学校のクラスメイトらしき人ともよく喋ったりしています。
もちろん、彼らの場合は通勤ではなく通学なんですが、これって社会人にも当てはまりそうです。
しかし一方、マイカー通勤だと基本的に1人が多く、通勤中はそのまま運転中であり他者とコミュニケーションする機会は少なくなります。
まあ、電話などでコミュニケーションするってこともあると思いますが、毎日はしないだろうと。
それから、電車通勤だったら仕事帰りに同僚などと飲みに行ったりできますが、マイカー通勤だと基本無理です。
まあ行くことはできますが、お酒は飲めないし駐車場も確保したりなど諸々の制限や手間が発生しやすいです。
家族やごく近しい人以外との関係性は希薄になっていきそうですし、ごく限られた人間関係だけになりそう。
4 足が弱る(特にデスクワーク)
これ、私ふざけてません。
私が備前市で過ごしていて気がついたことの1つに、足が悪そうな人が多いな〜っていうのがあります。
もちろん生まれつき障害をお持ちの方もいるだろうし、病気や怪我でそうなった人もいると思うんですが、それにしても多いな、と。
明らかに大阪市で見かける人よりも備前市は足腰が弱い人の割合が多い、と思っています。
こう思ったのにはきっかけがあります。
岡山市に私より10歳以上年下の30代男子の知り合いがいてもちろんマイカー通勤で車乗るのが大好きで、彼は音楽が好きでよく東京や大阪にライブに行くのだそう。
ただ、そういう時は車ではなく新幹線で行くとのこと。
彼曰く、「東京や大阪ではたくさん歩くから、岡山に帰ってきたら筋肉痛になってる」だそうです。
歩いただけで筋肉痛になった経験、あります?
私、無いです。
ただ、これは特にデスクワークの仕事の人だけで、農業や林業、漁業などの肉体労働をしている人は含まれていません。
老化は足から、ってよく言われてますが、歩いただけで筋肉痛になるような人は将来どうなるんでしょうかね?
5 気づきがない
これにも私はビックリしました。
先月、浦伊部っていう伊部の南に隣り合っている地区があり、そこを自転車でウロウロしていたら「建具屋」さんが結構ありました。
そして、その旨をずーっと伊部に住んでる人に言ってみたところ、「そうなんじゃ!全然知らんかった。」との答えが。
そこで気付いたのが、その人は車移動が常で、車移動すると自転車徒歩で移動してたら気づくようなことにも全く気づけない、ってこと。
これ以外にも、小さいことであれば地元の人よりも2拠点生活を始めてまだ4ヶ月の私の方がよく知ってる、っていう奇妙なことが起きたりしてます。
6 知らないうちにマーケット外に弾かれる(観光地、小売、サービス業など)
そして、過疎化や少子高齢化などが進行している地方都市にとって、最もダメージが大きいのがこれ。
地方に行くと、「車じゃないと行けない」場所に観光地や飲食店や小売店、宿泊施設があったりします。
ただそうなると、そこに旅行しようとしていた人からは「車が無いとダメなんだったら、他の所に行こう」と思われ、そのマーケットから弾かれます。
特に都市部の「車が無くても全く問題ないから家にマイカーが無い人」や「海外からの観光客」。
地方の人にとっては信じられないことかもしれませんが、日本でも都市部のマイカーを必要としていない家庭は、旅行するときは電車とかバスを利用するのが普通です。
また、例えば外国人観光客の立場になってみると自明なんですが、自分が海外旅行に行こうと思っている場所があって、そこは車が無いと不便な場所であるってことが分かった場合、そこに行きますか?ってことですよね〜
言葉もよく分からず交通ルールも異なる国で、わざわざレンタカーを借りて旅行します?
これは移住希望者もそうで、いきなり限界集落みたいな所に移住しようとする人は多くなく、そこそこ便利な所が好まれます。
なのに車が無いと普通に生活できないってことが分かったら、おそらくその候補から外されます。
これらはつまり、海外旅行客や移住希望者のマーケットから弾かれることを意味するわけです。
移住相談会に行くとそこの自治体の人に必ず言われるのが、「ウチのほうは車が無いと不便なんですよ〜」という言葉。
悪気は全く無いし実際生活して行く上でそうなんだと思いますが、あまりに無邪気過ぎます。
その言葉は、この6の内容も含んでいると理解したほうがいい。
そのコメントをすることによって、選ばれなくなる可能性もあるんです。
☆☆☆☆☆☆☆
マイカー社会っていうのは、ある時代までは地方にとって必要不可欠であったかもしれませんが、もう平成も終わろうという今は必ずしもそうでは無くなってきてます。
でも、地方に行くとそれに気付いてない人があまりにも多い!
そう感じたので、このエントリを書いてみました。
以上、akky でした!
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まあ2拠点を始める前から分かっていたことではあったんですが、一番ビックリしたのがホームセンターで花苗を買った時に、レジでレジ袋ではなくダンボールを使って作られた小さい箱(しっかりした枠があって、苗がその枠にスッポリ入るカンジ)に入れられて渡されたこと。
これ、例えば大阪に住んでる人は?ですよね。
私も最初は、「この箱なんだろう?」って思いましたが、多分車に乗せる時用の箱なんです。
レジ袋だと車の中で倒れたりしますが、その箱なら車がカーブに差し掛かった時でも倒れずにスーッと滑るだけです。
私は自転車で行っていたのでレジ袋に変えてもらうように言って変えてもらいましたが、もうここまでマイカー社会が住民の当然の前提なんですよね。
前に、マイカーを所有することのデメリットについて書きました(→地方での生活においても私が多分車を購入しない4つの理由)が、今回はマイカー社会であることの弊害について考えたことをまとめていきます。
☆☆☆☆☆☆☆
1 公共交通機関の衰退
以前も関連するエントリ(→低コストと便益がトレードオフってことを知らずに地域を衰退させる地域住民)を書いたんですが、今回はもうちょっとクリアになってきたので改めて書きます。有名な話ですが、地方の人は100m程度の移動にも車に乗ったりします。まあ人によって程度問題はあるでしょうけど、備前市でも実際この傾向はかなり強いと感じます。
で、本当に車でしかいけないところに自宅や職場がある場合もありますが、そういう場合は車を使わざるを得ないので私も特に問題だとは考えてません。
今回は、そうじゃない場合。
例えば、自宅から最寄り駅まで徒歩7分、職場からその最寄り駅も徒歩7分。自宅にはマイカーあり。自宅の最寄駅から職場の最寄駅までは間に駅が3つあり、電車の移動だけだと15分。一方、自宅から職場まではよく渋滞する国道を通らざるを得ず、マイカー通勤すると1時間かかる。
図示すると、こうなります。
こういう状況で、あなたなら通勤するのに電車を選びますか?マイカーを選びますか?
これ、おそらく大阪市民は上の電車通勤、備前市民は下のマイカー通勤を選ぶ人がそれぞれ多そう。
そらー公共交通機関は衰退するわ、と思います。
この条件のポイントは「徒歩7分」の部分で、この時間って地方の人にとってはかなり長く感じそう。
あなたの家の家訓ですか?ってくらい、頑なに歩くのを嫌がる人が多いので、毎日7分(1日だと合計28分)も歩くなんてあり得ない、と感じる人が多そうです。
2 生産性の低下
私、これも大きいと思うんです。車の運転中って、運転するってことだけをしないといけませんよね?
生産性低すぎ。
近年は、一般的に「1つのことのみを行う」ってことが少なくなってきました。
例えば、洗濯機を回しながら部屋の掃除をするとか、ニュースを聞きながら料理を作るとか、音楽を聴きながらブログを書くとか。
料理だと分かりやすいと思うんですが、ご飯が炊き上がってから味噌汁の出汁を取り始める人っていませんよね?
1つの作業が終わって次の作業を始めるなんてことをしてたら、その料理いつ終わるの?ってくらい時間がかかります。
そうではなく、何かが進行している間に別の作業をし、だいたい全ての料理が同じタイミングで完成するように計算し、作業を並行して行うのが普通です。
ながら作業ってやつ。
ところが、車の運転中は他のことができない、っていうかしてはいけなかったりします。
運転中にスマホゲームなんかしてたら、事故を起こす可能性が限りなく高いです。
1の例で言えば、電車通勤を選んだ人は15分間が与えられるため、その時間で他のことができます。
一方、マイカー通勤を選んだ人は運転するしかないっていう・・・
3 他者とのコミュニケーションが減る
これ、ごく最近気がつきました。最近備前市のJR赤穂線に乗っていて高校生がよく乗っているのですが、高校の同級生同士はもちろん中学校のクラスメイトらしき人ともよく喋ったりしています。
もちろん、彼らの場合は通勤ではなく通学なんですが、これって社会人にも当てはまりそうです。
しかし一方、マイカー通勤だと基本的に1人が多く、通勤中はそのまま運転中であり他者とコミュニケーションする機会は少なくなります。
まあ、電話などでコミュニケーションするってこともあると思いますが、毎日はしないだろうと。
それから、電車通勤だったら仕事帰りに同僚などと飲みに行ったりできますが、マイカー通勤だと基本無理です。
まあ行くことはできますが、お酒は飲めないし駐車場も確保したりなど諸々の制限や手間が発生しやすいです。
家族やごく近しい人以外との関係性は希薄になっていきそうですし、ごく限られた人間関係だけになりそう。
4 足が弱る(特にデスクワーク)
これ、私ふざけてません。私が備前市で過ごしていて気がついたことの1つに、足が悪そうな人が多いな〜っていうのがあります。
もちろん生まれつき障害をお持ちの方もいるだろうし、病気や怪我でそうなった人もいると思うんですが、それにしても多いな、と。
明らかに大阪市で見かける人よりも備前市は足腰が弱い人の割合が多い、と思っています。
こう思ったのにはきっかけがあります。
岡山市に私より10歳以上年下の30代男子の知り合いがいてもちろんマイカー通勤で車乗るのが大好きで、彼は音楽が好きでよく東京や大阪にライブに行くのだそう。
ただ、そういう時は車ではなく新幹線で行くとのこと。
彼曰く、「東京や大阪ではたくさん歩くから、岡山に帰ってきたら筋肉痛になってる」だそうです。
歩いただけで筋肉痛になった経験、あります?
私、無いです。
ただ、これは特にデスクワークの仕事の人だけで、農業や林業、漁業などの肉体労働をしている人は含まれていません。
老化は足から、ってよく言われてますが、歩いただけで筋肉痛になるような人は将来どうなるんでしょうかね?
5 気づきがない
これにも私はビックリしました。先月、浦伊部っていう伊部の南に隣り合っている地区があり、そこを自転車でウロウロしていたら「建具屋」さんが結構ありました。
そして、その旨をずーっと伊部に住んでる人に言ってみたところ、「そうなんじゃ!全然知らんかった。」との答えが。
そこで気付いたのが、その人は車移動が常で、車移動すると自転車徒歩で移動してたら気づくようなことにも全く気づけない、ってこと。
これ以外にも、小さいことであれば地元の人よりも2拠点生活を始めてまだ4ヶ月の私の方がよく知ってる、っていう奇妙なことが起きたりしてます。
6 知らないうちにマーケット外に弾かれる(観光地、小売、サービス業など)
そして、過疎化や少子高齢化などが進行している地方都市にとって、最もダメージが大きいのがこれ。
地方に行くと、「車じゃないと行けない」場所に観光地や飲食店や小売店、宿泊施設があったりします。
ただそうなると、そこに旅行しようとしていた人からは「車が無いとダメなんだったら、他の所に行こう」と思われ、そのマーケットから弾かれます。
特に都市部の「車が無くても全く問題ないから家にマイカーが無い人」や「海外からの観光客」。
地方の人にとっては信じられないことかもしれませんが、日本でも都市部のマイカーを必要としていない家庭は、旅行するときは電車とかバスを利用するのが普通です。
また、例えば外国人観光客の立場になってみると自明なんですが、自分が海外旅行に行こうと思っている場所があって、そこは車が無いと不便な場所であるってことが分かった場合、そこに行きますか?ってことですよね〜
言葉もよく分からず交通ルールも異なる国で、わざわざレンタカーを借りて旅行します?
これは移住希望者もそうで、いきなり限界集落みたいな所に移住しようとする人は多くなく、そこそこ便利な所が好まれます。
なのに車が無いと普通に生活できないってことが分かったら、おそらくその候補から外されます。
これらはつまり、海外旅行客や移住希望者のマーケットから弾かれることを意味するわけです。
移住相談会に行くとそこの自治体の人に必ず言われるのが、「ウチのほうは車が無いと不便なんですよ〜」という言葉。
悪気は全く無いし実際生活して行く上でそうなんだと思いますが、あまりに無邪気過ぎます。
その言葉は、この6の内容も含んでいると理解したほうがいい。
そのコメントをすることによって、選ばれなくなる可能性もあるんです。
☆☆☆☆☆☆☆
マイカー社会っていうのは、ある時代までは地方にとって必要不可欠であったかもしれませんが、もう平成も終わろうという今は必ずしもそうでは無くなってきてます。
でも、地方に行くとそれに気付いてない人があまりにも多い!
そう感じたので、このエントリを書いてみました。
以上、akky でした!
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